令和4年1月からすべての瓦屋根の固定を義務化
国土交通省 新築・増改築の瓦屋根の緊結強化の義務化
令和4年(2022年)1月1日、国土交通省は建築基準法の告示基準(昭和46年建告109号)を改正し、令和4年1月1日以降に着工する新築・増改築するすべての瓦屋根の固定を義務化した。いわゆる今年より瓦屋根の緊結方法が強化・義務化されたのである。
強風対策による緊結方法が強化され、固定を義務化されるのは瓦屋根であり、粘土瓦とセメント瓦である。ちなみにスレート屋根や金属屋根は、耐風対策が取られているため対象ではない。
令和4年1月より「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」に準拠が義務
令和元年(2019年)に千葉県の房総半島を襲った台風15号の強風により、住宅の屋根瓦が吹き飛ばされて剥がれるまたは落ちるなどの大きな被害が発生した。その事態を踏まえ、令和4年(2022年)1月に建築基準法の告示基準(昭和46年建告109号)が改正され、屋根ふき材(瓦)に関する施工の基準は、「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」に準拠することが義務化となった。
令和4年の瓦屋根の固定化の法の「改正の要点」
■緊結箇所
軒、けらば、むね、平部の全ての瓦を緊結
従来は、軒、けらばは、端部から2枚までの瓦を、むねは1枚おきの瓦の緊結で良かったため、強風に弱かった。
■緊結方法
瓦の種類や部位、基準風速に適した緊結方法が規定されている。
図1を参照(国土交通省資料より)
風速と瓦の種類によって緊結方法が規定されている。
房総半島や鹿児島の大隅半島などの海辺の風速が強い地域ではF形、J型、S型瓦が使用できない等も定めている。
従来は軒、けらば、むねは銅線、鉄線、くぎ等で緊結していたが、平部は規定がなかった。次の図は、出典:国土交通省パンフレット資料より。
国・自治体は既存住宅に対して瓦屋根改修の補助支援
既存住宅においても2001年以前に新築された住宅で、瓦屋根の改修をしていない住宅や、瓦のズレや傷みがある場合は、瓦屋根の耐風診断を受けて改修することが推進されている。
既存住宅の場合は、各地方自治体で瓦屋根の耐風診断や瓦屋根の耐風改修工事の補助金がある場合があるので、地域の役所に尋ねると良い。
またリノベーションの場合は、長期優良住宅推進事業においても他の補助対象のリフォームと合わせて瓦屋根の改修を行うと補助される。
詳しくは、次の資料を参照して欲しい。
国土交通省のHP:建築:令和元年房総半島台風を踏まえた建築物の強風対策 - 国土交通省 (mlit.go.jp)