2022年4月1日、断熱等性能等級5と一次エネルギー消費量等級6が施行
断熱等性能等級5と一次エネルギー消費量等級6の創設
■ZEH基準の水準、ZEHを上回る水準の等級が新設
2022年4月1日に日本住宅性能表示基準を一部改正し、ZEHレベルの基準である断熱等性能等級の「等級5(ZEH 基準の水準)」と一次エネルギー消費量等級の「等級6(ZEH を上回る水準)」を新設し、2022 年4 月1日に施行しました。
ちなみに一次エネルギー消費量等級の等級6とは、BEIは0.8 以下(再生可能エネルギーを除く)であり、再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量削減となります。
■カーボンニュートラルを目指した新築住宅の水準を明示
断熱等性能等級の等級4は、建築物省エネ法における現行の省エネ基準相当になります。断熱等性能等級5の外皮平均熱貫流率及び冷房期の平均日射熱取得率の基準値と等級4の数値を次の国土交通省の資料で確認すると、断熱等性能等級5はZEH基準と同様だと把握できます。
一次エネルギー消費量等級については等級4が建築物省エネ法における現行の省エネ基準相当であり、等級5が低炭素認定住宅等の誘導基準で、現行の省エネ基準よりも▲10%の基準です。一次エネルギー消費量等級6の場合は、現行の省エネ基準よりも20%一次エネルギー消費量が削減されるのでZEH基準となります。
また現在は住宅性能評価を受けるにあたっては、断熱等性能等級か一次エネルギー消費量等級のいずれかを選択、または両方を選択することができますが、2022 年10 月以降は断熱等性能等級と一次エネルギー消費量等級の両方の評価を受けることが必須となります。
■2022年度は省エネ住宅が加速度的に進行する
住宅性能表示基準の上位等級設定は、2050年カーボンニュートラルの実現を目指すという政府の目標の元、新築住宅は建築物省エネ法の省エネルギー基準を最低レベルとし、ZEH 基準の水準の断熱性能または一次エネルギー消費性能を満たすZEH レベルの住宅か、それらの両方の性能を備えるZEH基準の住宅を目指すことになったことを示しています。
2022年度以降は、住宅は省エネの方向に加速度的に進んでいきます。
ZEHだけでなく、快適・健康で大きくCO2を削減できる住宅づくりが業界全体の大きな課題になりそうです。