令和元年5月10日、改正建築物省エネ法が成立 小規模住宅は2年以内に省エネ性能の説明義務化へ

昨年(2019年12月7日)に『小規模住宅・建築物は、省エネ基準の適合を「設計時に説明義務化」の方向へ』という記事を書きました。今回はその続きの記事です。改正省エネ法が成立し、住宅も本格的に省エネ強化の方向に動き出すことになりました。

【改正建築物省エネ法可決で、中規模建物の省エネ基準適合義務化】

2019年5月10日、参議院本会議で「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律案」、いわゆる「改正建築物省エネ法」が満場一致で可決し、成立しました。※参議院ホームページより


現在、2000㎡を超える大規模建築物、つまり業務用のビルなどは適合義務化されていますが、それに続いて300㎡以上2,000㎡未満の中規模のオフィスビル等の中規模非住宅が従来の「届出義務」から「省エネ基準の適合義務化」となり、義務化の対象が拡大されることになりました。この法律は近く交付され、義務化は2年以内、2021年度に施行される予想です。

国土交通省の資料によれば、新築件数を見ると、中規模非住宅(中規模オフィスビル)は大規模建築物の約4.3倍であり、省エネ対策においても中規模オフィスビルの適合義務化は重要です。また別の観点からみると、2018年では中規模建築物は91%が省エネ基準に適合しています。そこで省エネ基準への適合義務化に引上げても大きな混乱はないかもしれません。

【戸建住宅も公布から2年以内に説明義務化を施行】

改正省エネ法の成立では、300平方メートル未満の戸建住宅である小規模住宅や小規模非住宅は、建築士による省エネ基準に対する適合可否を建築主に行う説明義務化の制度を新設し、公布から2年以内に施行されることに決まりました。こちらも2021年度に施行される見通しです。

また、年間150戸以上を供給する建売業者を対象とする現行の「住宅トップランナー制度」に、注文戸建て住宅や賃貸アパートを大量供給する大手住宅事業者も追加することになりました。そして、2021年度より一次エネルギー消費量を現行の10%から15%削減に強化する方向です。

【住宅・建築物の省エネ性能の強化が進む】

パリ協定を踏まえて、温室効果ガス排出量削減を行うため、住宅・建築物の省エネ対策の強化されていることが今回の改正建築物省エネ法で明確に理解できます。
・中規模のオフィスビルを適合義務化の対象に拡大。
・マンション等に係る計画届出制度の監督体制の強化。
・注文戸建住宅や賃貸アパートへのトップランナー制度の対象拡大。
・戸建住宅等における建築士から建築主への説明義務制度の創設。
これらの施策によって、国は新築住宅の平均一次エネルギー消費量を、2013年度と比較して、2025年度は25%減、2030年度は35%減にすることを目標にしています。

住宅を造るものは、強化される省エネ政策に、ついていけるかというのが今後の課題になります。
常に学び、勉強し、省エネに強い会社が生き残れる時代になりそうです。

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