基礎高さが300mm未満!長期優良住宅化リフォーム補助金はとれるのか?

【通年申請タイプ 評価基準型が人気】

以前にも、「平成31年(2019年)の長期優良化リフォーム推進事業が5月上旬交付申請開始予定」
「国が検討! 長期優良住宅制度の認定と住宅性能表示制度の一体的な運用」
で、長期優良化リフォーム推進事業について取り上げました。今回は申請の実務で気づいたことを取り上げます。

今年度も4月10日から長期優良化リフォーム推進事業が始まりました。そこで適合確認を行う建築士として、補助金を取りたいお客様宅に住宅会社の営業マンと現場を調査させていただいております。

営業の方は、補助金申請は通年申請タイプの評価基準型が比較的取りやすいということを頭に置き、お客様に、水廻り、給湯器、窓や外壁が補助対象だということでリフォームとインスペクションのお勧めと、補助金の話をどんどん進めていかれるケースが多いです。
確かに通年申請タイプは、申請期間中であればいつでも交付申請ができるのでお客様にお勧めしやすく、評価基準型であれば定められた基準も認定基準よりもクリアしやすいように設定されています。

【耐震性と劣化対策の適合は必須】

戸建住宅の場合の評価基準型とは何かというと
「劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、省エネルギー対策の性能項目のうち、劣化対策と耐震性は定められた評価基準に適法することが必須で、その他の項目で1項目以上について評価基準に適合すれば補助金対象」となります。

※平成31年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業に関する説明会 資 料 より

耐震性の場合は、住宅の着工時期が1981年(昭和56年)6月1日以降であると確認・証明できる資料があれば、既存住宅の基準の耐震等級1と認められるということで、耐震は適合しているとお客様にお話しすることができます。しかし構造躯体の劣化対策については、評価基準、つまり既存住宅の住宅性能評価基準を知っていなければ、リフォーム箇所は補助に該当するのか、補助に該当するリフォームは何をすればよいかが理解できず、補助金を取るためのプランや見積もり、お客様への提案もできません。

【大慌て 基礎高さが300㎜ない!】

リフォームの営業の方が水廻り等のリフォームの話を進め、評価基準型で補助金の話をしている時、「ちょっと待ってください」という事態になることがあります。というのは、基礎の高さを全く考えることなく話が進んでいることがあるのです。
「この家の基礎高は180㎜で、基準の300㎜以上ではないです」と報告すると「基礎高は300㎜ないと申請はできないのですか?」という言葉が返ってくることが度々あります。この時点で営業マンは、大慌てになります。

評価基準では、基礎は①②のいずれかに適合することとされています。

① 地面から基礎上端まで又は地面から土台下端までの高さが400㎜以上

② 地面から基礎上端まで又は地面から土台下端までの高さが 300㎜以上、か つ、 基礎廻りの雨はね防止措置+土台、床・床組について維持保全の強化

木造住宅は現行の建築基準法では「立上り部分の高さは地上部分で300㎜以上」(建設省告示第1347号(平成12年5月23日)と定められています。

基礎の高さが300㎜未満の場合は、評価基準型での交付申請は諦めるしかありません。

【基礎高は300㎜未満の場合は提案型で応募】

しかし築20年、築30年以上などの木造住宅は、基礎の高さが300㎜未満のケースもあります。この場合、長期優良化リフォーム推進事業の補助金を取りたい場合は、通年申請タイプの評価基準型ではなく、事前採択タイプの提案型で応募することができます。

その場合は、例としてですが、基礎廻りの雨はね防止措置をし、雨が土台や躯体に入らないように水切りの形状等を考えて提案し、土台、床・床組について維持保全の強化を行うことなどによって補助金の申請が可能です。実際には、その住宅の条件や構造を考慮して提案してください。

【事前採択タイプとは? 提案型の公募期間は】

■事前採択タイプとは
交付申請に先立って公募し事業者又はグループ単位で応募・採択するタイプ。

■提案型とは
必ずしも長期優良住宅の増改築認定基準や評価基準によって評価できない性能向上工事や、長期にわたって住宅を維持保全する仕組み等について、リフォーム事業者等の幅広い提案を受け、評価委員会による審査を経て採択を行うものです。提案者は、施工業者又は買取再販業者となります。

この申請を行う場合は、評価基準型と同じく、リフォーム後の住宅性能のうち、構造躯体等の劣化対策及び耐震性の評価基準を満たすことが条件のため、ハードルはあまり高くはありません。評価基準相当の場合の補助金額は一戸当たり100万円となっています。

公募期間は、今回は平成31年4月10(水)~令和元年5月17日(金)ですので、日程の締め切りが迫っていますが、提出物の用意は場合によっては間に合うかもしれません。
今後はこのような物件があるときは、予め事前に調査して公募期間に間に合うようにしておくと良いと思います。

長期優良住宅化リフォームの補助金は、金額が大きくお客様にとって魅力があります。しかしリフォームをする側は、内容をある程度マスターして営業に望む必要がある補助金です。まずマニュアルを読んで、お客様宅が申請対象かどうかを調査すること。どこを補修し、リフォームすれば補助金を申請できるかなどを予め知っておくと、スムーズにお客様に提案ができます。

サクラ・ワークでは、長期優良住宅化リフォームについての勉強会を後日行いまいす。開催日程が決まり次第お知らせをいたします。

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