次世代住宅ポイント制度 新築住宅は住宅性能評価基準のマスターが必要

前回、2018年12月21日に国土交通省から発表された「次世代住宅ポイント制度」の内容から、「次世代住宅ポイント制度のリフォーム」について記載しました。

今回は、2019年6月ポイント発行受付予定の次世代住宅ポイント制度の新築住宅について記載します。

【注文住宅の新築、新築分譲住宅の購入、完成済みで購入する新築分譲住宅が対象で、上限35万ポイント】

国土交通省から発表された内容では、以下の記載となっています。

(1)注文住宅の新築
所有者となる方が、自ら居住することを目的に新たに発注(工事請負契約)する住宅。

(2)新築分譲住宅の購入
所有者となる方が、自ら居住することを目的に購入(売買契約)する新築住宅※。(販売業者等(以下、 分譲事業者という。)が施工者に新たに発注(工事請負契約)するもの。) ※ 完成(完了検査済証の日付)から1年以内であり、人の居住の用に供したことのないもの。以下同じ。

(3)新築分譲住宅の購入(完成済み購入タイプ)
所有者となる方が、自ら居住することを目的に購入する(売買契約)新築住宅(完成済みのもの)

上記の⑴~⑶の貸家を除く新築住宅に対して、「環境」、「安全・安心」、「健康長寿・高齢者対応」、「子育て支援、働き方改革」に寄与する場合、一戸当たり上限35万ポイントが発行されます。以前の省エネ住宅ポイントは、当時のトップランナー制度の基準の省エネ住宅を基本としていましたが、今回は次世代住宅ポイントとなり、根本的に趣旨や内容が異なっています。

【対象住宅の、請負工事等の契約期間の違いに注意】

ポイントが発行される対象の住宅は、下記の表のとおりです。新築の種類により、工事請負契約または売買契約の対象期間が異なっていますので、お客様に説明する際には注意が必要です。

【標準ポイント、優良ポイント、オプションポイントの合計で35万ポイントが上限】

標準ポイントの条件を満たしたうえで、既定の条件に合った仕様の住宅の場合は、優良ポイントやオプションポイントが付与され、ポイント発行の上限は35万ポイントとなります。

       出典:国土交通省ホームページ 次世代住宅ポイント制度の概要

【標準ポイントの対象住宅は、既定の住宅性能評価基準の等級に適合させることが必要】

標準ポイントは、住宅1戸あたり30万ポイントが発行されます。

標準ポイントを付与される住宅は、① ~④のいずれかに適合する住宅です。
① エコ住宅 (断熱等級4又は一次エネ等級4を満たす住宅)
② 長持ち住宅 (劣化対策等級3かつ維持管理対策等級2等を満たす住宅)
③ 耐震住宅 (耐震等級2を満たす住宅又 は免震建築物)
④ バリアフリー住宅(高齢者等配慮対策等級3を満たす住宅)

国が推進する標準(最低ライン)の住宅であり、住宅性能評価を理解して、クリアできる家を建てることを推進していることが読み取れます。

① のエコ住宅とは

いわゆる省エネルギー住宅であり、住宅性能表示制度の温熱環境・エネルギー消費量に関することに基づく、断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級4以上の性能をもつ住宅です。
a.断熱等性能等級4のみクリアする場合でもポイントは発行されます。
b.断熱等性能等級が等級4を満たない場合でも、一次エネルギー消費量等級が等級4以上の場合でもポイントは発行されます。

現実的に考えると、bのケースのように断熱性能が低いと機械設備による省エネ性能を高くする、省エネになる設備を多く導入する必要があります。また、断熱性の数値を高めないと一次エネルギー消費量が計算上等級4に満たないケースが生じます。住宅づくりでは断熱は基本事項ですので、顧客満足のためにも断熱性を高め、快適性・健康、設備の効率をよくし省エネ性を追求することが重要です。

② の長持ち住宅とは

耐久性の良い住宅という意味です。
ちなみに、国土交通省国土技術政策総合研究所は住まい手向けに「長持ち住宅ガイドライン」長持ち住宅の選び方」の情報を提供していますので参考にしてください。
長持ち住宅は、住宅性能表示制度の「劣化対策等級」と「維持管理対策」の両方の基準を満した住宅づくりが必要です。
次世代住宅ポイントの標準ポイントの住宅に指定されている劣化対策等級3とは、「構造躯体が3世代(75年~90年)もつ程度。」とされています。これは長期優良住宅の求めるレベルで、基礎高さ、外壁軸組・地面・土台の防腐防蟻処理、床下換気、小屋裏換気、浴室等の防水などの構造躯体の劣化に対する等級3の仕様が定められています。

長持ち住宅の維持管理対策等級は等級2で、
・専用配管は、壁、柱、床、はり及び基礎の立ち上り部分を貫通する場合を除き、コンクリート内に埋め込まない。
・地中に埋設された管の上には、原則としてコンクリートを打設しない。
・専用の排水管(継手及びヘッダーを含む。)の内面は、清掃に支障を及ぼさないように平滑とし、かつ、当該排水管を清掃に支障を及ぼすようなたわみ、抜けその他変形が生じないように設置。
などの規定であり、長期優良住宅の維持管理対策等級3のように掃除口や配管点検口などは要求されていません。
しかし、今後の住宅の維持管理のことを考えると当然掃除口や配管点検口はつけておきたいものです。

③ 耐震住宅は

耐震等級2は「極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施行令第88条第3項に定めるも の)の 1.25倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度」、つまり建築基準法の1.25倍の等級です。
熊本地震の時に倒壊した住宅に耐震等級が等級2のケースがありました。そこで直下率の問題が浮上したことにより、免震が注目されるようになりました。工事費用との関係もありますので、住宅プランとの兼ね合いで検討が必要です。

④ バリアフリー住宅とは

高齢者等配慮対策等級3で、段差、手すり、通路及び出入口幅、階段などについて詳細な規定があります。
住宅金融支援機構のホームページからの資料をご覧ください。

標準ポイントとしては、①~④のいずれかとなっていますが、現実にはすべてクリアすることが必要な事項です。

優良ポイントとしては、認定長期優良住宅、認定低炭素建築物、性能向上計画認定住宅、ZEHに対して5万ポイントが付与されます。

【標準ポイント+オプションポイントで何ポイントが申請できるのか】

オプションポイントは、家事負担軽減のための住宅設備や耐震性のない住宅の建替に対して、それぞれ定めたポイント数が発行されます。

標準ポイントを獲得できる住宅を建築するお客様に対して、申請の上限は35万ポイントであることを説明します。
新築時の一般的な提案では、掃除しやすいトイレ(18000ポイント)、浴室乾燥機(18000ポイント)、掃除しやすいいレンジフード(9000ポイント)は一般的にプラン時に設備導入するため、45000ポイントが獲得できます。そこで、新築住宅で、標準ポイント30万ポイントを獲得すると、ポイント合計は34万5000ポイントとなります。

また、標準ポイント30万ポイントを獲得できる新築を建築し、宅配ボックスやビルトイン食洗器を提案する場合、ビルトイン食洗器(18000ポイント)、宅配ボックス(10000ポイント)、それに加えてビルトイン自動調理対応コンロ(12000ポイント)掃除やすいフード(9000ポイント)を申請すると34万9000ポイントとなります。

建築コストは高くなりますが、優良ポイントが申請できる住宅であると最高35万ポイントが申請できる提案ができます。

これはあくまで2018年12月21日の国土交通省からの情報で記載していますので、内容や条件が変更される可能性がありますので、今後の情報が気になるところです。

【注目は性能向上計画認定住宅 今後の省エネ住宅建築で目指すべき住宅】

優良ポイントの対象住宅の中に、性能向上住宅があります。
「建築物省エネ法」の誘導措置として新設されたのが「性能向上計画認定制度」です。省エネ性能の優れた建築物について、「性能向上計画認定住宅」として所管行政庁の認定を受けると、容積率の特例を受けられる住宅です。

性能向上計画認定住宅は、

・建築物省エネ法の「外皮基準」を満たすこと。
・一次エネルギー消費量基準」が、設計一次エネルギー消費量が、基準一次エネルギー消費量に0.9を乗じた値以下となっていること
が基準です。
認定されると建築物の省エネ性能は表示できます。この住宅は、ZEHよりも基準が低く、認定低炭素住宅のように低炭素化対策の規定がありません。
もちろん省エネ手法と、省エネ計算の知識は必要になります。今後の省エネ住宅推進政策に適合した新築住宅を建てるうえで重要ですので、性能向上計画認定住宅についても、対応できる知識をつけることも考慮することが必要です。

詳細については、国土交通省のホームページに掲載されている次世代省エネポイント制度の内容についてをご覧ください。

次世代住宅ポイント制度については、平成31年度予算の成立を前提としているため、内容は変更がある可能性があるため、今後の国土交通省の情報の更新を待ち新しい情報を更新したいと思います。

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