小規模住宅・築物は、省エネ基準の適合を「設計時に説明義務化」の方向へ

【中規模住宅・建築物は省エネ基準適合義務化へ】

2020年に小規模住宅や小規模建築物は省エネ基準適合義務化になるかが、住宅業界の大きな話題に常になっています。この省エネ基準適合義務化についての見解が、2018年12月3日に開催された国土交通省、社会資本整備審議会建築分科会建築環境部会において、「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方について」(第二次報告案)が示されました。

中規模住宅・建築物(床面積300平方メートル以上2000平方メートル未満)については、省エネルギー基準への適合を義務付ける方針が示され、来年(2019年)の通常国会に建築物エネルギー消費性能向上法改正案を提出して、2021年度以降の実施を目指すことになりました。

【小規模住宅・小規模建築物は、2020年省エネ基準適合義務化は見送りの方向に】

「エネルギー基本計画」においても、また「未来投資戦略 2017」(2017年6月9日閣議決定)においても、民生部門の省エネを推進するために「2020年までに、規制の必要性や程度、バランス等を十分に勘案しながら、新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準への適合を義務化する」という方針が示されていました。

しかし、今回の「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方について」(第二次報告案)において、小規模住宅・小規模建築物は2020年に省エネ基準適合義務化が見送られる方向になりました。

【新制度創設 小規模住宅・小規模建築物は設計時に建築士が説明を義務化】

小規模住宅・小規模建築物は、2020年に省エネ基準への適合義務化が見送られ、適合の届出制度の対象とされていなくても、省エネ基準を守らず家を建築または改修しても良いということではありません。

小規模住宅・小規模建築物に対しては省エネ基準適合の促進のための新制度が創設されます。
それは、設計した建築士が建築主に対して、住宅が省エネ基準に適合しているかどうかの説明義務制度です。その説明の中で、建築士は建築主に省エネ性能を向上させる措置を提案することも制度化される予定です。

そのような省エネ基準に対する説明義務化の制度が新設されると、住宅会社・工務店は省エネ基準や設計や省エネ計算、施工方法、営業提案方法まで、省エネ基準に達する住宅を建てる方法をマスターする必要があります。建築士だけではなく、営業、工務も含め省エネ技術や提案技術を高めることが必要になります。
省エネ基準適合義務化が見送られたとしても、省エネ基準について説明や建築技術がなければ、義務違反だけでなくお客様に選ばれることができなくなる時代が2020年に到来することは避けられないことは明白です。

【なぜ小規模住宅・小規模建築は省エネ基準適合義務化が見送られたのか?】

小規模住宅・小規模建築は、省エネ基準への適合率が住宅60%、住宅以外69%で、大規模や中規模の住宅・建築物と比較すると約30%も少なく、比較的低い水準にとどまっており、適合義務制度の対象とした場合、市場の混乱を引き起こすことが懸念されます。また省エネ基準へ適合させるために追加設備などの投資費用を光熱費の削減によって回収する期間が、14年~35年の比較的長期間がかかることも問題点として指摘されたことによります

また、建築を提供する側の事業者で省エネ基準等に熟知していない人が多く、 (一社)リビングアメニティ協会が実施したアンケート調査では、中小工務店のうち、省エネ計算が実施可能なものの割合は概ね50%であるとされており、審査、申請にも必要な体制が整備されていないことも「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方について」(第二次報告案)も指摘されています。
その他、2019年10月の消費税率の引き上げにとっても住宅投資への影響が懸念されるという意見から、省エネ基準適合義務化が見送られました。

【既存住宅の改修(リフォーム)の省エネ推進はどうなるのか?】

既存の住宅・建築物の省エネ改修は、今と同じように引き続き財政・税制上の措置を推進し、必要に応じて支援の充実が図られるようです。

それに伴い、事業者側は、リフォームで省エネを推進する提案を行い、お客様には減税、補助金についてもますます提案する知識を向上させることが必要になります。

その他、既存住宅で問題になるのは、既存の住宅・建築物の省エネ性能の水準がどれくらいなのかがわからないことです。そこで、既存の住宅・建築物の省エネ性能を簡易に診断・評価する手法を確立するための検討と、エネルギー使用量の実績値に基づいて省エネ性能を評価する手法についても検討される方向になりました。

今後、ますます省エネ住宅・リフォーム政策が加速度的に推進され、お客様にも省エネ住宅・リフォームの必要性について説明でき、設計、工事ができることが必須となります。省エネ基準適合義務化が見送られたことに安心せず、住宅の省エネについてさらに学んでいきたいものです。

サクラ・ワークでは省エネ基準適合住宅の勉強会を開催しております。

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